不動産購入時には注意!夫婦の共有名義、本当に大丈夫?

 

①自宅購入の経緯

付き合っていた女性と結婚を機に都内で築21年のリフォーム済み中古住宅購入しました。土地建物総額で4000万円ほどでした。私達は二人とも旅行が好きで毎年、年に2回ほど海外旅行へ行っておりました。

借金はなかったのですが、まとまった貯蓄はなく、頭金ゼロ円で不動産購入ができるか営業担当の方に尋ねたところ、頭金ゼロ円でも住宅ローンは組めるとのことだったので、一戸建て購入に踏み切りました。しかしながら、4000万円の借入は私の収入だけでは困難だったので、前妻と収入合算し共有名義で念願のマイホームを手に入れました。

②離婚により自宅売却

結婚生活は3年ほどでした。その間に2度浮気をしてしまい、1度目は大目に見てくれたものの、2度目は許してもらえず、離婚することになりました。結婚生活中に貯めていたお金を慰謝料として渡すことで離婚には合意してもらえ、前妻は実家へ。現自宅は支払いで彼女に迷惑をかけることがなければ好きにしろとのことでした。

数年後、2度目の浮気相手(現在の妻です。)とも結婚話が上がり、住まいをどうするか?という問題が出てきました。

前妻と購入した家に住む事を彼女は猛反対。ましてや名義も前妻との共有名義のままだったので、売却する事にしました

不動産会社に査定してもらったところ、ローンの残債よりも数百万円安い査定結果が…
当時購入時にかかった諸費用も住宅ローンに組み込んでいたので当然ですよね。

貯蓄は慰謝料として支払ってしまっていた私は売却損を相殺する資金など持ち合わせていなかったのですが、幸い収入は当時よりも増えていたので、売却損を新しく購入する家に上乗せしてローンを組む住み替えローンを営業マンに提案され、不動産売却に踏み切りました。共有名義だったので、当然前妻にも事情を説明し、同意を得て売却活動をスタートしました。

当初はちょっとでも負担が減ればと思い、相場より高い価格で販売しようとしましたが、なかなかうまくいかず、半年ほど売れませんでした。

しかし売却活動と並行して新居を探していたところ、好条件の新築一戸建てが見つかりました。現在の妻の強い要望もあり、そこを購入するために、現自宅に不動産会社の買取(下取)を使って新居の購入を決断。購入前の住宅ローン仮審査で悲劇はおきました…

③新居が見つかったのに、住み替えローンが使えない

新居購入資金を捻出するために住み替えローンの仮審査を行いました。すると驚きの審査結果が…
なんと住み替えローンが使えないというのです。理由を問いただしたところ、売却する家は前妻との共有名義。

新しく購入する家に前妻が住み、同様に共有持分にするのであればローンは組めるが、前妻が住まないのであれば住み替えローンは利用できないとのこと。

担当営業の方もまだ若く、私のようなケースは初めてだったらしく、仮審査を行うまで住み替えローンが組めない事に気がつかなかったとの事。

このままだと新居は購入できない、しかし今の嫁はこれまでの家に住んでくれない、前妻との縁もずっと切れないと途方に暮れていたところ、若手営業マンもいろいろ調べてくれてひとつの解決策が見つかりました。

④共有名義の変更へ

営業の方が提示してくれた方法は、前妻の持分を予め自分に戻すというものでした。売却不動産が自分の名義100%であれば、住み替えローンは使えると言うのです。

しかしそんな都合よく名義変更ができるのか、前妻は協力してくれるかが心配でした。

名義変更には正式な理由が必要らしく手っ取り早く行うなら売買や贈与が良いとのこと。

しかしこれには前妻が猛反対。

売買だと前妻に払うお金がなく、贈与だと贈与税の問題が出てくる。

最終的な解決策は「真正な名義の回復」というものでした。

実際にこれまで住宅ローンを払ってきたのは自分だから、前妻の名義ではなく正当な自分の名義に戻すという手続きでした。

しかしこの手続きは非常に手間がかかり、司法書士の方も苦労する事になるのと、前妻の同意が必要な手続きでした。

ローンの残債があるから家を売ってもお金は渡せないと前妻には話しておりましたが、今回の話に無償協力を仰いだところ、ただで名義変更に協力するなんてバカらしいとの事。内々で多少まとまったお金を渡すことでなんとか同意を得る事が出来ました。

登記手続きで約1ヶ月ほど時間はかかりましたが、なんとか100%自分の名義にすることで再度住み替えローンの審査へ。100%自分の名義になって日が浅いと銀行から怪しまれるなど、不安要素は多々ありましたが、どうにか住み替えローンの仮承認を得ることが出来、無事に自宅売却、新居の購入手続きを完了することが出来ました。

 

住み替えローンが使えないと言われた時は本当に焦りました。生きた心地がしなかったです。数年にわたって続いていた不動産の共有名義という前妻とのつながりもやっと解消することが出来ました。

よくよく聞けば収入合算の場合は共有名義にしなくても良かったとのこと。

 

中古住宅でローン控除の対象外だったこともあり、当時は深く考えませんでしたが、共有名義には気をつけないといけません。