マニアックだけど大事!二世帯住宅を建てるならこのポイントを逃すな!
①孫の逃げ道、3世代仲良くする間取り
子育ての中で、親子喧嘩は付き物
特に我が強くなってきた子供と喧嘩すると、大人とは言え我慢できずに爆発してしまう事も。大喧嘩になって、どうしても経験や言葉不足となっちゃう子供は逃げ場が無くなってしまいます。でも、知らない場所へ飛び出してしまうのはとても怖い時代。そんな時に隣、または下の階の〝じぃじとばぁばの家〝に子供が逃げ込んで居たら、安心出来ると思います。
私の場合は敷地内別居(離れでつながっている)祖母の家によく逃げ込んで居ました。祖母とは夕食はいつも家族全員で揃って食べていたので、毎日顔を合わせてはいたのですが、母と喧嘩が止まらなかった時にはよく助けてもらいました。いつも第三者で居てくれたので、互いの立場についてお話を聞かせてもらい、その後一緒に母に謝った事を覚えています。
今は核家族の家が殆どで、同居は大変だと思いますが、人と多く関わる事で人間性がすくすく育つ事が出来る子供さんは、将来とても頼もしい存在になることでしょう。
②ライフステージに伴う生活リズム、フレキシブルに対応出来る間取りのコツ
次にお孫さんが中学生の頃になったと想定した場合。だんだん帰宅時間が遅くなってきます。友達とも遊ぶ時間も増えて、就寝時間もどんどん遅くなっていきます。そしてその孫の親、つまり世帯主となる働き盛りの息子(娘)夫婦も、仕事が遅くなれば就寝時間も遅くになります。
そうなると、就寝時間が早めの親世代にとって気になるのは”物音”です。
足音、ドアの開閉音など寝静まる夜だから、些細な音が気になり出します。
そうなると家族間の不協和音が小さなモノが積み重なって、いつしか爆発してしまったらたまったものではありません。
この様な状況を防ぐために、子供部屋の下に、親世代の寝室を避けるように配置する事を考えられると良いでしょう。
階段も近くへの配置ではなく出来るだけ息子(娘)夫婦家族に近い場所にレイアウトする事がポイントです。
親世代の体の変化に合わせた間取りについて
日本は今高齢社会と言われております。自分の足でしっかりとチャキチャキ元気に動くご高齢の方も今は多くいらっしゃいます。
しかし、些細な風邪や転倒によって、若い世代では理解し難いほど、病気や怪我が長引きやすいのも事実です。
と、なるとやはり面倒を見るのは同居される家族。
親世代の寝室の近くに浴室とトイレを配置すると、抱えて運ぶ距離も短くなります。また、最近では病院等で申請すれば車椅子を貸してくれる事もあります。大の大人を運ぶのは大変なので、車椅子を利用したいところですが、廊下の幅が狭かったり、また曲がり角で苦労したり、ドアにぶつかって入室出来ないなんて事も、事例としてはたくさんあります。
日本の住宅のモジュール
日本の住宅では、主に尺貫法で間取りを形成する事が古来からありました。基本単位となるのは91㎝(畳の短辺の長さ)を柱の中心部分で配置していきます。
柱の中心同士で91㎝と間隔を取るので、壁の下地の厚さを考えると、住宅が出来上がった時には実際の間隔は、広くても77㎝ほど。
車椅子の幅はおおよそ65㎝程ですが、手でグリップを持って後ろから押すとなると、壁に手が擦れてしまう、また曲がり角では曲がれないようになります。
現在では尺貫法ではなく、住宅メーカーの半数ほどがメーターモジュールを取り入れています。91㎝の尺貫法と比べ基本単位は1m、9㎝広い空間が設けられます。
廊下の幅が少しだけ広くなれば、住宅に傷をつける事も避けられるでしょう。
また、トイレ、浴室の扉は可能であれば引戸をお勧めします。
万が一、浴室内、トイレ内にて倒れてしまう事があった場合、ドアに引っかかり救出が困難になります。
スムーズに開閉する、レール無しの吊り戸も多く出ていますので、小さな段差も気にしなくていいものになります。
③どこまで一緒?何が別?共同部分をどう分けるか
玄関、浴室、トイレ、洗面所、キッチン‥
二世帯住宅では「どこまで一緒に使うか」と言う悩みが尽きないものですよね。
プライベート、時間帯を気にしなくて良いのなら、やはり息子(娘)世代、親世代それぞれに設けた方が良いですが、その場合はコストもかかります。
だったらどうしたらいいのか‥悩んでしまいますよね。
私がお勧めするのは、浴室1箇所、トイレ2箇所、メインキッチン1箇所、ミニキッチン1箇所、メイン玄関1箇所、掃き出し窓から出入りできる土間部分1箇所です。
まず洗面所についてです。
近年、鏡台を持ち込む女性が少なくなり、化粧品関係は殆どの方が洗面所に置くようになりました。洗面所にも収納力が必要になってきています。
となると、例えばメインの浴室には家族それぞれのタオル、下着類、洗濯物をストックできる場所を設けた、広めの洗面脱衣所を配置します。
2階には一般的な洗面台を設置、朝の身支度渋滞を緩和できます。出来ればこちらにも収納棚を設けられればベストです。
浴室は共同ですが、収納力をしっかり確保する事と、ベンチ付きの浴室をおすすめします。子育て途中でも、親世代の介護途中でもきっと役に立ちます。
メインキッチンは息子(娘)世代がメインで使うように設計してみましょう。しかし、親世代の方で、大皿や寸胴鍋など、今の時代活躍の少ない物を持っていらっしゃる方が殆どです。お盆、お正月に来客があれば張り切ったりする事もありますでしょうから、キッチンのそばには可動棚付きのパントリーを設けると良いでしょう。
お米やお水だけでなく、年に何度かしか活躍しないけど、捨てたらモメる?物を置いておける空間を用意しておきましょう。
ミニキッチンは親世代の方に設置すると、自分たちだけでお茶を飲むのに、すぐ手が届く位置にあるのは楽になります。
玄関ですが、共同のメイン玄関を使いますが、後々車椅子などを考えると、テラス部分も設けて、将来もう一つの玄関をあらかじめ作る事をおすすめめします。先にも伝えたように、車椅子での移動が必要になった時に、玄関だけでは手狭になりますので、テラスなど室内の床と同じ高さ位置の場所を作る事が効果的です。
ご家族それぞれに個性があるように、それに合わせて住宅も個性が光るようになります。
「私ならもっとこうする」「俺たち家族ならもう一つ何か欲しい」など、マイホーム計画がステップアップする、そんなご参考になれば幸いです。